快適にネット対戦をするための環境を整えよう【ネットワーク編】

はじめに



この記事では格闘ゲームをネット対戦する上で、

快適に対戦するための情報を紹介します。

Fightcade2での対戦をベースに解説しますが、

他のゲームのネット対戦でも共通する内容が中心になります。


そもそも「ラグい」とは何か?

「ラグい」「重い」といった言葉が格闘ゲームのネット対戦上でよく使われます。

具体的には下記事象を指していることが多いです。

①動きがカクカクする

②動きが一時的に止まる

③キャラが数秒後にワープするような動きをする

④ボタンを押しても反応が遅い


これらの事象は下記に分けることができます。

①~③→フレーム※が飛んでいる※

④→入力(表示)遅延※が発生している

※一般的な格闘ゲームは1/60秒を1フレームと表記  

※フレーム1枚目、2枚目と表示されるところが1枚目、5枚目と飛んで表示される

※入力遅延→ボタンを押してからモニタへ反映されるまでの表示の遅れ

※表示遅延→ゲーム内容がモニタへ反映されるまでの表示の遅れ

ここでは入力遅延と表示遅延を合わせたものをひと括りに遅延と表記します。

このフレーム飛びと遅延の原因は様々な要素が絡んでいます。


フレーム飛びと遅延の関連項目





上記かなり大雑把な図ですが、フレームと遅延に関係する項目を表記しています。

遅延に関してはローカル(パソコン側の話)も絡んでくるので、

ここではネットワーク側(①~④)の解説をします。

ネットワークはフレームと遅延両方に関係がある極めて重要な項目です。


回線の品質の重要性

ここでいう回線の品質とは、スピードの事ではありません。

格闘ゲームにおいて回線速度は重要ではなく、Ping値の変動が少ない回線が重要です。


大前提、⑤のPCスペックを満たしていることを前提とした時に、

①と②の相手と自分の回線の品質が良ければフレーム飛びは極力抑えることができます。

①または②、あるいはどちらも品質が悪い時も、

④のFightcade2のSmoothingの値を増やせば、

フレーム飛びを抑えることができますが、その値の分、入力遅延フレームが増加します。


Ping 16ms ≒ 1F(フレーム)ですので、Smoothingの値を0で行うには

相手と自分のPingが平均16ms以下でないとフレーム飛びが発生してしまうことになります。


Pingの値は相手と自分の物理的な距離(北海道と九州等)で上がってしまいますが、

高い数値でも安定していることが重要です。逆に同県内同士の対戦だとしても、

片方が無線LAN(Wi-fi)接続だと不安定でPingの変動が激しいので、

Pingが10~50へ変化する過程でフレーム飛びが発生しやすくなります。


近年③のネットコードの技術が進み、

遅延とフレーム飛びのトレードオフが少しずつ解消されつつありますが、

快適な対戦をするためには、自身の回線の品質を安定化させることがやはり重要になります。

相手の回線環境は変えられませんが、自分の回線は改善できます!


品質の良い回線にするにはどうすればよい?

無線LAN(Wi-fi)接続の場合、絶対に有線LAN接続に変更しましょう。

無線LAN接続だとPingが不安定になります。






某ゲーミングお嬢様も提唱する有線LAN接続






Fightcade2では相手側が無線LAN接続かどうか分かるため、

単純に対戦を申し込まれる割合が減ります。


有線化へ向けたQ&A

Q.大本の回線がSoftBankAirやテザリングの様な無線タイプです

A.不安定なので、フレッツ光の様な固定有線回線に変更を検討しましょう。

また今変えるなら「IPv4 over IPv6」方式に対応したプロバイダがオススメです。


Q.ノートPCを使っているから有線LANポートがないんだが?

A.USB接続の有線LANポート増設アダプタがあります。

そちらを導入しましょう。









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Q.部屋を跨ぐので、有線LANケーブルを引っ張ってこれない・・

A.有線LANのフラットタイプのケーブルであれば、ドアの隙間をくぐれます。








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また、カテゴリ5eですがドアやサッシ窓の隙間専用のLANケーブルもある様です。


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Q.20Mとかの長いLANケーブルだと速度とか安定性は低下しないの?

A.しません。










10メートルと100メートルのLANケーブルを比較しても速度差は殆どない様です。



Q.LANケーブルにカテゴリの違いがあって何を買っていいかわからん

A.迷ったらカテゴリ6以上のケーブルであればOKです。


回線品質の測定方法

自身の回線の安定性を確認するために、測定を行うことが有効です。

Radish Network Speed Testing のサイトに行って測定を行いましょう。
















必要項目を入力して測定ページへ






測定開始ボタンを選択















上記は筆者の平日夜の測定の例です。

測定前のRTTと測定中のRTTの値が高くないか確認しましょう。

平均20ms以下で収まっていれば上々です。

RTTとは…通信相手に信号やデータを発信してから、応答が帰ってくるまでにかかる時間。

極端に高い数値があると不安定ということがわかります。

平日や休日の夜の時間帯等で分けて計測して、極端に悪い結果がないかを調査します。










上記は筆者友人の平日夜の測定の例です。

測定中RTTが下り上りともに平均高い数値になっており、

下りは最大280ms、上りは最大504msと恐ろしい数値になっております。

実際にFightcade2で筆者と友人で対戦していた時も、

フレームが要所で飛びまくり、安定した対戦とは程遠い状態でした。

この後、友人はIPv4の接続サービスから、

IPv4 over IPv6に対応したプロバイダに変更して改善しています。


結果が悪かった場合どうすればよいか?

どの時間帯の測定でも常に結果が悪い場合

モデムーPC間の接続環境に原因がある可能性があります。

まずは上記の無線接続から有線接続への変更、

既に有線でLANケーブルが古い場合は、モデム/ルーター間の

カテゴリ6以上の高品質ケーブルに買い替えて測定をしなおしましょう。








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平日夜や休日夜等、利用が集中する時間帯の品質が悪い場合

大本の回線事業者やプロバイダに原因がある可能性があります。そこで、

従来の「IPv4」方式から「IPv4 over IPv6」方式の接続サービスに変えることをおすすめします。

混み合った時間帯でもこの方式だと安定した接続が期待できます。

「IPv4 over IPv6」方式については下記サイトの解説が参考になりました。

IPoE/IPv4 over IPv6接続サービスの仕組みと選ぶ際の注意点

ざっくり説明すると、

従来の混み合った道ではなく、空いている広い高速な道を通れるので、

安定した接続ができるといったイメージです。


「IPv4 over IPv6」対応プロバイダ検索例


フレッツ光であれば対応プロバイダの方でコース変更をするだけで利用可能なので、

まずは加入のプロバイダで「IPv4 over IPv6」方式のサービスがあるか確認しましょう。

v6プラスやv6オプションと呼び名は色々ありますが、方式は基本同じです。

ただし「IPv4 over IPv6」に対応したルーターを購入する必要があるので、

対応ルーター機器を事前に確認しておきましょう。


ポート開放に関する注意点

また、上記解説サイトにも記載がありますが、

「IPv4 over IPv6の場合、ポート開放は通信技術方式が「DS-Lite」だと出来ないのと、

他の通信技術でも開放するポートが事前に指定されている等の制約があるので、

事前によく確認をしておきましょう。

ただ昨今は手動でポート開放しなくても、

ルーター側で自動開放(UPnP)に対応しているゲームばかりなので、

サーバーを自前で立てている等でなければ心配する必要は少ないかもしれません。


総評

筆者が選んでいる光事業者はフレッツ光で、

とあるプロバイダでv6プラスサービスを利用していますが、

先程の測定結果からも分かるように今の所快適です。

格ゲーのためだけだと気が引けるかもしれませんが、

速度も安定して動画視聴なども時間帯問わず快適になるため、

回線で悩んでいる方はサービスの変更を検討してみてください。

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