Fightcade2の3rdで高機能なトレーニングモードを使用する方法

はじめに



Fightcade付属のエミュレータ「FBNeo」を使用して、家庭用顔負けの機能を備えたトレーニングモード(トレモ)スクリプトを使用する方法を解説します。リバサ行動の指定やヒットボックスの表示、複数レコーディングのランダム再生等、初心者から上級者まで使える様々な機能を有しています。


スクリプトの導入

上記、GitHubのURLを開き、Grouflon氏作成の3rd_traning_luaをダウンロードしましょう。2021年6月19日時点で最新バージョンは0.9になっており、現在も活発に更新が行われております。

緑のCodeボタンを選び、Donwload ZIPを選択してスクリプトファイルをダウンロードします。











ダウンロードしたファイルを下記フォルダへ解凍します。
\(Fightcade2をインストールしたフォルダ)\emulator\fbneo

3rd_training_lua-master」フォルダがfbneoの直下にあること、フォルダの中身がちゃんと入っているかを確認しておきましょう。

注意:日本語が含まれるフォルダにFC2をインストールしていると、スクリプト起動時にエラーを起こす可能性があるので、その場合は英数字のフォルダに再インストールを行いましょう。


FBNEO側の設定確認












Fightcade2を立ち上げ、3rdのロビーを開き右上の「TEST GAME」を選択します。
フルスクリーンでゲームをされている場合は、ESCキーをおして一度ウィンドウモードに切り替えしましょう。











Video → Select Blitter → 「DirectX9 Alt」に設定されているかを確認します。
(設定されていないとスクリプトが正常に動作しません)



トレモ用のキー設定




















通常のプレイヤー1のキー設定に加え、プレイヤー2(P2)のコインから弱Pまで設定します。
設定するキーはキャラ選択さえ出来ればいいので、テンキーやキーボードの他のキーへの割当で問題ありません。



















トレモ用にあると便利な上記キー設定も併せて行います。










キャラの選択






















先程設定したキーを使い、1Pに自分が使うキャラ、2Pに木偶のキャラを選択します。

スクリプトの起動

























①Game → LuaScripting → New Lua Script Windows を選択します
②Browse を選択します
③先程用意した「3rd_training_lua-master」を開き、フォルダ内の「3rd_training.lua」開きます
④Run を選択します
















少し処理時間で固まった後、成功すると上記メッセージが表示されます。


トレモ画面 メニューの開き方/操作方法


1P側のスタートボタンを押すと、トレモメニューを開くことができます。
























◇基本操作方法
移動:1Pの十字キー
項目の設定変更:項目にカーソルを合せて1Pの左右キー
項目の設定初期化:項目にカーソルを合せて1Pの中Pボタン

【Display】→【Rules】→【Dummy】→【Recording】→【Special Traning】の順番に解説をしていきます。


【Display】画面の情報表示





































②~③入力履歴
・左側に書かれている数字はフレームを表します
 例)下方向に6フレーム入力を入れると、6⇩と表示

④のヒットボックス(各種判定)
・先述のコマ送りボタンを組み合わせると技相性の確認等に便利です
・ONにするとPCスペックによっては動作が重くなるので注意してください



【Rules】トレモの条件設定














































【Dummy】木偶に対しての動作設定

















































設定例

・立ちガードした後にリバサEX昇竜を打たせたい場合
①Poseーnormal
②Bloking StyleーBlock
③Blockingーalways
⑤Counter-Attack MoveーDPF
⑥Counter-Attack ActionーEXP

上記の様に設定を組み合わせることで、様々な反撃を木偶に行わせることができます。
始めたての方は、⑥LP+LKを設定してリバサ投げするようにして、投げ暴れをする相手に確実に打撃を埋められるようにする練習をするのもおすすめです。

Counter-Attack Actionのrecordingを指定すれば、任意に記録した内容を再生することも可能です。それにより、赤ブロ後に大P中昇龍迅雷といったより複雑な反撃も設定できます。記録/再生の詳細は後述します。





【Recording】木偶の記録と再生



















このトレモの目玉といっても過言ではない、記録/再生機能です。従来の家庭用トレモでは1つのスロットしか保存できなかった記録ですが、本トレモ機能は8つのスロットがついており、且つ外部保存可能です。8つのスロットから割合を決めてランダムに再生といったことも出来ます。


木偶の行動記録/再生方法









記録に関する仕様について

記録時は1P側が木偶キャラになりますが、この時の木偶の挙動は【Dummy】にて設定した内容を引き継ぎます。QSの有無や反撃内容も引き継ぐので、より細かい記録が可能になると思います。(家庭用の記録時の木偶はQSを取らない仕様でした…)

記録の再生方法について

1Pコイン1回押す方法に加え、【Dummy】のCounter-Attack Actionの項目を「Recording」に指定しておくと、反撃時に記録した内容を再生してくれます。
また、反撃時の再生限定ですが、記録した内容を⑤Counter-attack delayにて開始する最初のフレームを切り取ることができるので、少しずつマイナスしていき、記録した昇龍SC迅雷をリバサ開始にすることが出来ます。

複数スロットのランダム再生について

1~8スロットに記録したデータに対して、④Weightでそれぞれの再生割合を設定し、②ReplayModeを「random」や「random repeat」に設定して再生すると、設定した割合に応じてランダムで再生をしてくれます。当然反撃時の再生にもこのランダム再生は適用可能です。

使用例
スロット1 ダッシュ2回→投げ→起き上がりに投げ重ね
スロット2 ダッシュ2回→投げ→起き上がりにコアコア重ね

この2つをランダム再生させて、従来一人では練習の難しかったガードジャンプ練習ですが、この方法であれば実際に出来ているかどうかの確認をしながら練習可能です。
使い方次第で、起き攻め、被起き攻め、対空といった様々な状況の練習をすることが出来るでしょう。


【Special Traning】ブロッキングモード

バージョン0.9の段階で、ブロッキング練習をするのに適した情報表示機能が実装されています。使用する場合はModeを「none」から「parry」へ変更しましょう。
連続ブロッキングを練習するために特化した機能の様












表示の見方

緑のゲージ:ブロッキング可能な時間
オレンジのゲージ:ブロッキング封印時間
→オレンジメーターが空になると次のブロッキングが可能になります

ブロッキングの詳細仕様については下記ゲームレストラン様の記事のリンクを記しておきます。ブロッキング封印時間への記載があります。

筆者もこの機能の表示の見方があまりよく理解できていないため、もし詳細分かる方がいれば、DiscordやTwitterにてご教授いただけると幸いです。



その他情報

・フルスクリーン化のすすめ

Luaスクリプトを立ち上げる時に一度ウィンドウモードにしますが、起動後はフルスクリーン(Altキー+Enterキー)にしてプレイすることをおすすめします。対戦同様、ローカルでのプレイでもフルスクリーンモードだと遅延が削減されるためです。

・トレモ待ち受け

既存の機能の合わせ技にはなりますが、この機能でトレモをしながら、Fightcade2の待ち受け状態にしておけば、他の格闘ゲームの様なトレモ待ち受けができます。


・CPU相手での練習

通常のCPUでLuaスクリプトを起動して体力、時間、ゲージ等を無限にすれば、CPU相手でのトレーニングモードも可能です。

・トレモの挙動がおかしい時

一度中パンチボタンで各項目をリセットして、設定を直しましょう。それで駄目な時は一度アプリケーション毎終了して、再度スクリプトを読み込み直してみましょう。これでも改善されない場合は、まだ開発中につき、不具合の可能性もあります。

総評

個人が作成したクオリティとは思えない本トレモスクリプトですが、現在も精力的開発が進められております。製作者のGrouflon氏に感謝の気持ちを込めて使用させて頂きましょう。このトレモ機能でないと出来ないことも既に多くあるので、何か新しい3rdのテクニックやコンボレシピが開発される可能性も秘めています。3rd界全体の技術向上の期待も込めて、今回本内容を共有させて頂きました。


記事作成協力:Ashtanga氏

このブログの人気の投稿

Fightcade2を利用して3rdを快適にネット対戦する方法

Fightcade2で3rdのネット対戦をする上で必要なPCスペックとは?